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月のつぶや記

ささやかな日常の風景に言葉を添えて…

“小さな雀”

 世界で最も有名な“小さな雀” 


美輪明宏さんによる、エディット・ピアフの生涯を舞台化した「愛の賛歌」(15日・in 新国立劇場。)を観てきました。
(“ピアフ”とは小さな雀という意味だそうです。)
およそ4時間にわたる長丁場が二回の休憩をはさんだ三部構成で上演されます。

有名な余り、なんとなく知ったようなつもりになっていたピアフの生涯や表題の「愛の賛歌」が
美輪さんの体からほとばしり出るような歌声となって空気を揺さぶり、伝わってきました。

表現者、歌手としての評価を年齢を引き合いに出してするのは失礼な事だとは承知の上ですが、
それでも、もうすぐ80歳を迎えられるとは思えないほどの迫力、声量、存在感は鬼気迫るものがあります。
正直、前半の若い頃のそれこそ“ピアフ”を演じるには、あまりの大きさ(偉大さ)で、小雀ではないなと(スミマセン^_^;)
が、晩年、歳若い恋人テオのゆるぎない愛に包まれ死を迎える場面は、そのまま本当に倒れてしまわれるのではと思われるほどで、涙がでてきました。

舞台のセットはNHK紅白の「よいとまけの歌」の時の様に、暗くした舞台の中央から奥を照らす青みを帯びたライインがメインです。
そのシンプルなライン上が、パリの石畳に、ピアフの立つ舞台に…様々な場面に変わり…
やはり最後の場面、エマニエル夫人を思い出させる籐椅子に腰かけ天に召される場面では、
ライン上に籐椅子の影が光背のようにのびて、神々しさすら覚えました。

シャンソンを愛し、より日本にしらしめながらも、ときに音楽以外のことで不当な評価を得たことのあった美輪さんの生き方そのものが、歌う事に生涯をかけたエディット・ピアフとオーバーラップするものがあるように感じました。
これから全国各地を回ります。
一期一会、全身全霊を込めた舞台がこの先ずっととは考えにくいなか、初めて美輪さんの舞台を見ることが出来て、
チケットを手配してくれた友人に感謝、感謝の一日でした。

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 ロビーは妹役として共演のYOUさんも共に、名だたる方々の花々で埋め尽くされ、良い花の香りに満ちていました。
   客席は満席!あきらかに一般人ではないオーラを放った方々も数多く…
   (その方面、疎いので、ざんねんながら誰とは言えませんが^_^;)

   それではみな様、ごきげんよぅ~~~!


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[ 2014/04/18 00:45 ] 演劇 | TB(0) | CM(6)

情熱の群像

 そうだ!投票に行こう!


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(投票所ではありません…笑)


友人の知り合いの息子さんが出演している劇にと誘われ、久々に若い方々の熱い舞台を観てきました。
場所は、日暮里にある“dー倉庫”という小規模な劇場。
近代日本の幕開け、激動の時代に、志を抱き歴史に名を刻んだ人々の、
中でも吉田松陰の門下生、伊藤博文、山縣有朋に焦点をあて、時代の持つ熱を描いた作品です。

鎖国から開国へ至る時代の大きな分岐点は多くの若者の理想を掻き立て
それらがまた大きなうねりとなりました。
それぞれの掲げた若い理想は、時代に試され、時代に磨かれ、確固たる信念に‥
ラストで伊藤博文が憲法の制定を熱く訴えるシーンは殊に圧巻!
おもわず涙がこみ上げて来てしまいました。

若い方々の舞台は、早すぎるくらいのセリフ回しで‥
演出なのか…普段の会話もそうなのか‥
機関銃のように繰り出される会話と、
合間にはさまれる現代の小笑い、高いテンション‥
正直、ついていけるかと危惧しながら観ていましたが(爆)
いつの間にか引き込まれ、
もう一度あの時代を見つめなおさなくてはとすら思うようになりました。
混迷する今の時代に共通するものがあり、
一人一人が、小さいけれど大切な権利を行使して、国に目を向けていかなければとも思いました。

下町の“d-倉庫”という小さなハコに溢れる大きな情熱
良い舞台を観たなと思いました。

(劇団 熱血天使 第8回公演 志編 7月21日まで)

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[ 2013/07/19 05:47 ] 演劇 | TB(0) | CM(10)

“かさね がさねの 想い”によせて

   詩劇的朗読舞台 “長旅のいしずえ” にて

祈りの舞台が 静かに時を待つ

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言の葉の揺れて 音になる
音の揺れて 心の言の葉になる

魂の ひたひたと満ち
あたりに漂うように

大きく小さく空気が揺れて
またもとの静寂に

心の奥に 
一輪の灯りをともして 


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8月、祈りに包まれるとき。
いつしか記憶のすみに押しやろうとしていた哀しみが、繰り返される人災と共に更に大きないしずえとなっていくこと。
今を生き、未来へつながる指針となっていくこと。
迷ったら、たちかえらないといけない。
そういう月だと…暑さの中に思います。(8月6・9日 原爆忌。15日終戦記念日)

P8044332.jpg 「雪に包まれる被災地」(加川広重)
その大きな絵の前で
再生への願いを込め、演奏、歌、朗読が
せんだいメディアテークにて、8月17日~19日に開催されます。
その一部、プレ公演(8月4日新橋にて)に行ってきました。
思いはあっても、なかなか直接な行動には結びつかない日々ですが、
こうしたパフォーマンスに触れ、携わる方々に想いを託すのも
一つのあり方かなとおもいました。

(遠く京都の空から情報をお寄せいただいたコスモスの夢さんに感謝 smile♪)



   
[ 2012/08/05 23:14 ] 演劇 | TB(0) | CM(6)

♪すてきな音・舞台 芸術の春

   素敵な休日  

 日生劇場で行われた素敵なコンサート?舞台?
 二人芝居?ピアノリサイタル?を観に、聴きに行ってきました。

2ピアノ4ハンズ

P5193889.jpg 大人が子どもの為に良かれと思い習わせるすべての事
その中から“一流”になり、その道へ進めるのはごくわずか
その過程での迷いや挫折、あきらめや希望。そして成長。

舞台の上には2台のグランドピアノ
そして大きな額縁が2つ。
シンプルこのうえない舞台
たった二人の演奏と演技で、くるくると子供時代の家庭であったり、音楽学校になったり。
それぞれ教わった先生や、親、そして生徒になったり。
(勿論、英語ですが、ちゃんと字幕が映し出されるので、大丈夫!!)
                     

子供の頃、ちょこっとでもピアノを習った、習わされた経験のある人はもちろん
そうでない人も、耳になじみのある曲ばかり。
そして、今サッカーでも、野球でも、お習字でも、ダンスでも
P5193891.jpg 子供に習わせている親の立場の人、そして指導する人
誰が観ても、身に覚えがあったり、ちょっと胸が痛んだり‥
クラシック音楽の、ピアノの知識がちょこっと増えたり‥

とっても楽しい舞台でした。
観客の中にいた小さな男の子が
「あ~面白かった!!」って言って、その場の空気が更に明るくなりました。           (入口の街燈が♪なのもオシャレ!→)
   
観劇の師匠“むうさん”のおかげで、今回も素敵なひと時を楽しむことが出来ました。♪ サンクス!

その後は二人で銀ブラとスィーツ‥(これは外せません!)
久々の安定したお天気に恵まれた土曜の午後でした。

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(ちょっと目を引いた素敵なビル。 そしてここにも岡本太郎さんの時計台が)

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[ 2012/05/20 18:46 ] 演劇 | TB(0) | CM(12)

芸術の春

  春 ミュージカルを♪ 


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(バラのゲートに出迎えられて)
P4292656.jpg  以前から楽しみにしていたミュージカル、レ・ミゼラブル
連休初日の29日に観てきました。
今回も観劇の達人・むうさんによる行き届いたアレンジで最後のお茶まで!?本当に楽むことが出来ました。 
本当にありがとうございます♪

原作は広く知られているブィクトル・ユゴーの同名の小説。
日本では明治に「ああ無情」という題で訳されています。

1985年版のレ・ミゼラブルは今回が最後で、次からは監督、演出など大きく変わるそうです。
重厚な本公演を観られて、とてもラッキーでした。


時代背景は19世紀前半のフランス。
フランス革命後の不安定な政情のなか、バルジャンのみならず、虐げられた民衆が各々の運命を時に抗い、または享受しつつ、強く生きていく様を表してます。
ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」の絵のような舞台照明、美術、衣装も見ごたえがあります。
時代も環境も全く違うものの、見えない大きな力に翻弄され、今、方向性さえなかなか見いだせないこの日本。
そして苦しみの中にある方々を思い起こさせるような舞台でした。
出演者の方々の想いのこもった熱演に…やはり涙が出てしまいました。
スタンディングオベーションで、幾度となく繰り返されたカーテンコール。
古典(と言ってもいいですね?)というものは現代(今)にあっても、どこにあっても普遍で力強い感動を生むものなのだなと思いました。
ロビーにはキャストの方々による、被災地向けへのメッセージの寄せ書きがあり、収益の一部はもちろん被災地の方々への寄付となります。
様々な想いを込めて、今年もまた良い舞台に巡り合え、感謝の一日でした。

(急いで帰って世紀のロイヤルウエディングも!プチヨーロピアンな日♪ 


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(お祝いに?今咲き誇るモッコウバラを添えて)





[ 2011/05/02 20:56 ] 演劇 | TB(0) | CM(2)